ことばとき(araireika)

捻り捩じった羅列・流れの一音にどれだけの意味が混められるか

2023-05-11から1日間の記事一覧

夜陰

蒸発すら叶わない人魚の鱗のようにある湖が 荒々しい海辺のあの夏の終わりの、へたくそな絵を描いてただ鏡越しに私の真似をしている異国のおんなが白い蝋燭をひとつ灯してのぼせるようなすがたで中空を漂っていた。意識はそこから黒い影をくねらせ、走り去る…