ことばとき(araireika)

捻り捩じった羅列・流れの一音にどれだけの意味が混められるか

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

のち祝福を

まくろく胡散臭いツヤのある回帰線を簡単に引いてたびたび返されたトランプの屍体。そのどれもが押し開いて咲きだしたクソロイド曲線の杜、いとまごと沈静化して。背の躱しさが緩く 限られた最短を逝くためのループに魅せられる 酔って垂直へ変えて演じてい…

湑む

まるで横顔の女だ 睫毛の長い、髪の黒い若い女が真直に背を凭れ眠っているのだろうか/一瞬通り過ぎた車窓に、何を隠そうとして、いま、不意に見せたのだろう /これによって古く細い町並みは直線を辿り 私は、ここに降り立ったのだと思っている/その上、も…

pupa

不可解に捻れた獣道を作り出した、薔薇線の手招き青々とした雜葬の絨毯を噛みしめ、これら花瓶のお囃子夢見るピエロだ裸足の花園だ 中空廃園だぼぉたちの綿毛ら 黄昏時の川の流れに。フラッシュを強く焚く水辺が、暮れ泥みが、ぼおとして何も求めないくぐっ…

未詳。

その澄んだ表面は世界は 翠の侵蝕 または神域/一冊を綴じた、現実から外れていく そのものが/解いたセーターよりあおぞら、扉が閉まり身だけを残してフルーツパフェより魅力的でなければいけない。 (廃工場に差し込む明かり)/早回しのGIF どうでも、そ…

焦点を合わせる

妍しいだけの皿に、その手のひらに 泳ぎ回る琉金の ちいさく軋んだベビーベッドから、流れ星を拾い上げる/ 海にいる /岸辺から眺めるひとがいて、遠くにある帆船と征く 庭園には野草が、死期を無視して、飛び回る瞳のまま 背には山々、眼下には子猫が眠り…

うすいはなのいろ

小煩いの壁紙にはエロチシズム なにかを、芳しく、静まるような。 涙色のレザーソファには矢車菊が まだ、薄暗い陽にセントバーナードが眠りに落ち小花をあしらったわたしの___裾を踏んで ないているのを知っている 見上げてみれば、少しも動けない。薄花…

夜陰

蒸発すら叶わない人魚の鱗のようにある湖が 荒々しい海辺のあの夏の終わりの、へたくそな絵を描いてただ鏡越しに私の真似をしている異国のおんなが白い蝋燭をひとつ灯してのぼせるようなすがたで中空を漂っていた。意識はそこから黒い影をくねらせ、走り去る…