ことばとき(araireika)

捻り捩じった羅列・流れの一音にどれだけの意味が混められるか

星は見えない

異物を浮かべた形、取り繕えない襤褸穴、墓碑銘は微笑み。街角に吹き溜まる風を待ち時間をつぶす。きっかけを貪り喰う烏は今にも途絶えそうな足取りで、ふらふらとしており、ぼんやりと徘徊しては、ふっと啼くばかりだ。巡る/頭ン中にあって、酩酊しているのか名も忘れてしまったのだと壁を背にして。
 
提案を受け容れるには些かフィルムは古く、取り戻すべき意識は既に輝かしさを失い水面ばかりがざあざあと映り込む。泥に足、つま先、からの標本、ネズミの死骸、ありのままのポートレイトのリズムを正確に与える付ける懐中時計を、巻き戻しながら進んでいる、ひとひとりが通れる狭い廊下をギシギシと。
 
座標軸を解き鎌を研ぐ。毒を浴びせた風呂敷を広げ出迎え。体内を抜け出してしまう警鐘が花をつき、そこら中に春を強いた。嘘だ!理屈だ!近所に生い茂る雑木林には白い乙女椿がぼたぼたと首をお賭して死んでいた。停車場を埋め尽くす野壺、待ち草臥れた形相で粛々を運び、悍ましく輪廻と喚び抱き寄せ。
 
砂漠の障りを体現するは腐敗を取り上げるしかなく 侍らせた男/女の破片を投げ入れた空想の、ある日の当たらない場所の、御印ともなる燭台を持っている 軽率さも欺瞞であり、嗅ぎ分けた階段と回送と自由を履き違えたもの だから この足は自由も利かず、木偶の坊とも 淀みなく呂律を下す唾棄とも有りてそのうち、吐き出されたものがよい思い出となるは、この住めば都。